夏のヴェローナ野外オペラ鑑賞、顛末記!

September 1, 2014

 イタリアの「ヴェローナ」と言って何を思いましますか?

今回の旅の目的は青春時代の思い出の映画「ロミオとジュリエット」の舞台を今更見に行ったわけではないのです。

 

ご覧の写真は布施明の元奥さんジュリエットがロミオを待っていたキャプレット家のバルコニーです。

これが通じる人はかなり古いのですが、それは今回は本題でではないので、ここまで。

 本題は、ご覧の2000年前ローマ時代の円形劇場、アレーナを舞台にくりひろげられるヨーロッパの総合芸術オペラを観に行ったのでした。

演目もこの舞台にぴったりの、エジプトを舞台にした大掛かりなステージで有名な「アイーダ」でした。

又今年はこのヴェローナの夏のオペラが始まって100周年の記念の年。このアイーダも年々セットが変わってきている様なのですが、今年は100周年の年と言うことで、1913年初演のセットを復活させて始まるのです。

 

今晩の観客は約15000人。

観客の中には世界各地からこの日の「アイーダ」を見にやって来ている人も多く、今晩は、あのプラシド・ドミンゴが指揮をとると言うことで、もうこれ以上ない演出で、いやがうえにも盛り上がり、観客の興奮も最高潮を迎えていました。

 

 この写真は始まる20分前の様子

 

ところが、まさかこの後25分後に、この後2日間にわたって、信じられない自体が起こるとは予想だにできませんでした。

 

さあ開園五分前、入り口で全員がもらった小さなロウソクに、皆灯をともしだしました。

10000本以上のロウソクの灯が、暗くなった場内で幻想的に揺れています。盛り上がってます!

 

そしてどこかで雷鳴が聞こえてきます。なかなか凝った演出じゃないと感心していると、場内アナウンスで今日は100周年を祝って、あの有名なテノール歌手でもあった、プラシド・ドミンゴが指揮をとるとのこと。

場内大歓声! 

 

さあ登場です。演奏が始まりました、神殿のセットの奥からはエジプト兵が大勢出てきてこれから始まる物語を嫌が応にもが雰囲気を高めてくれます。

・・・と思ったわずか30秒後、演出と思った雷は本物!?

 

雨がぽつぽつ降り出しました・・・。 楽器をもった演奏者達は、

ドミンゴの指揮を無視するかのように袖に引き上げはじめました。  「おいおい・・」って言ってる間もなく、雨が降ってきました。

ドミンゴも楽団員も一旦戻りました。

 

雨はまだぽつぽつ程度で、傘をさしたりする人は誰もいません。

誰もが、まあそううち止むだろうと思っているのでしょう。

私も女房も一応傘とカッパはもっていましたが、まだ使う程でもなく座って待っていました。特に場内アナウンスもなく全員静かに待つこと30分。

 

しかし雨は止むどころか、雷も結構ひどくなり、雨が強くなってきました。さすがに傘なしでは辛くなってきたので傘とカッパで雨よけをしてましたが、もういけません。

 

さあここからが、翌日までの長い、貴重なお話しの本番です!

 

 

降り出した雨も止む気配もなく、1時間経過の夜10時。ハッキリした場内アナウンスもないまま、ひどい降りに観客も通路に雨宿りで殺到しだしました。なにせ2000年前の円形劇場、そんな雨宿りする場所もなく、皆ぎゅうぎゅう詰めでひたすら待ちの状況。ご覧の通路、出口迄人で一杯。

 

我々もかなり濡れてきて、さすがに観客席にいるわけにいかず、この通路に待避するも、この通り。人ごみに押されて出口へたどり着くと、関係者の係員が1人立っているのですが、状況聞いてもわからない。係員に詰め寄っている人もいましたが、ともかく本部の連絡待ちの状況のようでらちがあきません。

 

もう出口を出て外の店先に待避している人も大勢出てきています。

 

我々は幸いにもアレーナの近くのホテルに泊まって(当初予定のホテルがオーバブックでアレーナの近くのホテルに移されて、今はラッキーだったと思っていたのですが、これ又別の話しですが、帰る日に、このラッキーがとんでもないことになるとは・・・)いたので、一旦ホテルに帰る事にしました。

着替えてアレーナのこの通路に戻ったのが、もう11時を過ぎた時間。

まだ正式なアナウンスがない状況。

 

我々みたいにホテルが近くにない人は、ひたすらこの混んだ通路の中で待たされていました。階段に座り込む人、壁に寄添って目をつぶってじっとしている人、仲間とおしゃべりしている人・・・

 

そんな中でやっとアナウンス、23時30分。イタリア語でよくわからず。イタリア語に続いて英語も言った様なのですが、イタリア人の歓声でよく聞こえない???

 

と思っていたら我々の隣にいたおばあちゃまが、やにわにiPhoneだして、イタリア語を翻訳ソフトで英語に直して私に見せてくれました。

続いて日本語にも(笑)

 

「もうすぐ雨も上がる様なので、雨があがり次第再開します!!!」

 

観客歓声上がるわけだ! いやー待った甲斐があったというもんだ。

しかし今23時30分すぎ、これから上演したら終わるの夜中2、3時???

 

いやー観客も演奏者も恐るべし! ヨーロッパの芸術鑑賞!

日本じゃ今日お話しした様な状況はありえないでしょう。

 

主催者側からのハッキリした情報が流れない。対応は出入口の係員だけ

観客も慣れているのか、ただ待つのみ。大きな混乱もない。

日本では終電もあるので、こんな遅く迄引っ張らない?

 

23時40分、「雨が止めば、再開」のアナウンスに我々も観客席に戻りました。

皆ご覧の写真の様な格好です。着飾っていかなくて良かった・・・。しかし観客も主催者も辛抱強いねー。と日本人の私としては感心するばかり。

 

さあ、気を取り直して・・・・。 

ん、雨は一向に止まない。天気予報、雨あがるんじゃないの? 雷ももうないし・・・

5分、10分、15分 経過・・・。おいおい、もう本当に日が変わっちゃうぞ!! と言ってる間に24時。開演時間21時から3時間経過!!!

 

やっとここでアナウンス「ローカルの気象台に電話して聞いたところ、天気はこのまま大きく変わらない?!=雨止まない」ってことで、中止!!!! 3時間待ちで??? 観客も大ブーイング。ただもっと騒ぐかと思ってるとそうでもない。皆諦めて出口に向かってます。

 

中止になってこのチケットどうなるの?場内アナウンス一切なし? 

 

私達は先程一旦ホテルに戻る際に、リファンドについてのチラシをもらっていましたが、そこには、演奏が始まる前に中止になった場合のみ返金されると、太字で書いてあるのを思い出しました。

 

今回は30秒と言えども演奏は始まった? よって返金なし?? おいおい・・・。

皆出口の係員に詰め寄るも、やはりハッキリした説明なしで、我々が既にもっている返金の説明チラシを配っていて、インターネットサイトにアクセスして手続きすれば返金される様な??? 

本当にイタリアで(って申し訳ないけど)数万の人がオリジナルチケット郵送でチケットセンターに送り返して、しっかりお金が返ってくるか??いったいいつになったら戻ってくるの?

主催者側もここまで引っ張った理由は、莫大な返金額とその手間のために、すこしでも演奏すれば、後雨で中止になっても返金しなくて良いからだと誰かが言ってました。

 

出口も大混乱、われわれはこの返金チラシもらっていたので、とりあえず明日の朝、いやいやもう日が変わっていたので、今日の朝? チケットセンターに来ることでアレーナを後にしかけた時、前から日本人のご夫人お二人が、不安げな顔で話しかけてきました「日本人の方ですが、どうしたら良いんでしょう」」

そりゃ、そうですね、日本から来られた方で、英語もあまり出来ないご様子、わかりませんよね。一応ご説明して、日本帰国後手続きされるようでした。

 

もうすでに24時半、いやはや、とんだ経験をしたものです。

雨はまだ降っています。アレーナから出た人達で周りのカフェは一杯。

皆文句言いながら飲んでます。

 

我らも真っ直ぐホテルとは行かず、ホテルのカフェで一杯。

女房は昔々声楽やらピアノやらをやっていた関係もあり、今回は是非とも見たかった場所でこの「アイーダ」でした。

又幸運にも指揮者もドミンゴでしたので・・・・

 

2013年真夏の夢は消えました。

 

と深刻な雰囲気ではなかったのですが、時間も25時半、さすがに疲れて、そろそろホテルに戻る時間になりました。

長い一日でした。

 

翌日、いや今日(すでに時計は廻っていましたので)、主催者側からこんな起死回生の一打が出るとは思わず、返金されるのか不安な一夜を過ごしました(疲れてぐっすり寝ましたが;笑)

 

 

 さて悪夢の翌日、いや同じ日の朝、ご覧の様な良い天気。

 

何だったんだあの3時間は?? ということでアレーナへ朝出かけてみました。何分昨夜は正式な発表もなく、何となくリファンドのチラシもらっただけで、ハッキリ聞いたわけでもありませんでした。

 

するともう何やら人だかり??。何事?

何か新しい発表でもと思ってチケットオフィスへ近づいてみると、もう既にかなりの列が出来はじめています。と言って特に掲示もなく・・・・

 

周りを見渡すと、係員らしい青いポロシャツを着たお兄ちゃんが、何やら色々な人に説明していて、何か渡していました。

しかし、この、のんびりした?対応はありでしょうか、と日本人的には思いましたが、ここはイタリア! まあいいか! って感じさせてしまう何かがあるのでしょうね。この国は。

 

私もお兄ちゃんに聞いてみました。流暢な英語で易しく、笑顔で説明してくれました

 

「返金出来ません」??? 英語聞き間違った?? 昨夜の30秒演奏で終わり!! ふざける金返せ! と言いかけた時、主催者側の起死回生の一打、でしょう、が放たれました。

 

「昨日の中止のチケットもってる人は、これから3年間のうちの、この夏のアレーナで開かれるどのプログラムのチケットにも変換出来ます。よって現金の返金はありません」

 

んー? 又このアレーナに観に来いと! 

 

いやー、良いアイデアだと思いませんか。まあ返金なしは、もめる人も出るでしょうが、こんな解決策もあったんですね。

 

手続きは、勿論今日でもなくて良いし、これから半年間のうちに来年以降のプログラム検討して、手続きすれば良いとのこと。

何だかすごく気の長い対応策、さすがイタリア?

 

でこの長い列は何? と聞いてみると、今日、もうその来年以降のチケットに交換する人の列とのこと。すごいねーこのオペラ見に来る人の執念(笑)

 

我が家も早速その場で、女房が来年のプログラムをチェック、金が戻らないなら、来れるか来れないかわからないけど、とりあえずチケット手に入れないと、と即断。つい6.7時間前に、3時間待ったのも忘れて、又々ケット交換の長い列に並ぶことになったのでした。

 

待っている間、世界各地からの人達と時間つぶしのおしゃべりに花が咲きました。ロシアから来た姉妹、ミュンヘンから車で来たオジさん、イタリアご近所から来たベタベタカップル。

皆昨夜の苦労を分かち合った何か連帯感の様なものもあって和やかな雰囲気。これも中止でなかったら経験出来なかったことでしょう。

 

そんな長い列の後ろの方にいに1人の白髪のおばあちゃんが、さすがに並ぶのも疲れた様子、それに気づいたロシアの姉妹は、係員に言って列の先にいかせていました。これも何かホッとするシーンでした。

 

そしてやっと我々の番になり、チケットオフィスに入り、来年の同日、同じ出し物「アイーダ」のチケットをゲットしました。

 

 このチケットご覧下さい、来年の日付、同じ席、同じ出し物、リベンジです!

一年後、どうなっているかわかりませんが、とりあえず又ヴェローナに呼ばれました。一緒に並んでいたロシア人もドイツ人も、やはり「アイーダ」を選んでいました。

 

皆来年再チャレンジで、来年会いましょう!とうことで別れました。

 

 雨で散々な結果でしたが、最後は写真の青空のように、清々しい気分でヴェローナを去ることが出来ました。

 

そして翌年の同じ日の同じ出し物、今度は晴天のもと鑑賞することができました。もちろんその素晴らしさは!!!!

 

 

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